2020年11月17日火曜日

フランス映画「燃ゆる女の肖像」とエリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブラン Film français : Portrait de la jeune fille en feu, Élisabeth Vigée Le Brun


日本では来月12/4から公開のようですが、フランスでは去年2019年に公開されているので、
カナル・プラス(フランスのケーブル)に上がって来ていた映画「燃ゆる女の肖像」を見ました。

グザヴィエ・ドラン監督絶賛やシャーリーズ・セロンも4回見たとかで話題になっているとか。それまではフランスのボックスオフィス(映画館観客動員数)でもそこまで人気にはなっていなかったようなので、日本の情報から逆輸入という形で知りました。

先日、レオナルド・ダ・ヴィンチのボーイフレンドの肖像画が見つかったとかでその展覧会の話がニュースでやっていたのですが、この時代(といってもダ・ヴィンチは15~16世紀でこの映画の話は18世紀ですが)のゲイやレズビアンは公式には許されていなかったので、形だけ異性と結婚していた人が多かったように思います。

つまり、彼らをバイセクシャルとして括るのではなく、他に選択肢がないという点でダヴィンチはゲイであったのだろうし、この映画もそのあたりの哀しみを描いていました。
登場人物も少なく、舞台もブルターニュの孤島のみで舞台劇のような作りでしたが、今も何となく余韻に残っています🌊🔥

貴族の娘を演じた女優のアデル・エネルさんは2回もセザールで主演女優賞や助演女優賞をとっていて、去年も今年のセザールにもノミネートされていた連続でノミネートされるのはちょっと珍しいぐらい期待されている女優さんのようです。
意思の強さがすごく顔に表れていて魅力的だった。
女性画家を演じたノエミ・メルランさんはちょっとエマ・ワトソンに似ているなぁと思いました(笑)

♔︎♔︎♔︎♔︎♔︎♔︎   



ケーブルに上がっていた映画といえば、先日「ブリキの太鼓」のディレクターズカット版も上がっていたので見ましたが、エログロのパゾリーニまではいかないけど、あれもあれで強烈に脳裏に残っています🥁

あとアップルTVに上がっていたNYの倦怠期夫婦とお茶目なお父さんを描いたソフィアコッポラの新作「On The Rocks」もビル・マーレー演じるお父さんが面白かった。
ソフィアはやっぱりお洒落ですねぇ。
ソフィアコッポラには昔パリのブティックで会って少しだけ当時ソフィアが作ってた映画の話をしたことがあって、着ていたセーターを褒められ、それどこの?と聞かれたことがあります(笑)
ソフィアの旦那さんはフレンチバンドのフェニックスのメンバーなので、パリとNYを行き来している生活をしているのかな。

NetflixやらAmazonプライム、ディズニーチャンネルなど色々加入してますが、
アップルもソフィア・コッポラのだけ、ディズニーチャンネルもスターウォーズのスピンオフの「マンダロリアン」ぐらいしか今のとこ見てないかなぁ。

というかアップルTVはiPad購入で一年無料が更新、更新で無料のまま(人気ないから?)、ディズニーチャンネルはフランスのケーブルのカナル・プラス加入でボーナスで付いて来たので、NetfilixやAmazonプライムみたいに率先して加入したわけではなく。正直、一番見るものがないのがアップルTVです🍎


余談ですが、映画「燃ゆる女の肖像」のエンドクレジットで、マリーアントワネットの肖像画を描いていたフランス人女性画家 Élisabeth Vigée Le Brun(エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブラン)の名前も謝辞で出ていました。

この時代の女流ポートレート画家は男性を描くことは出来なかったそうですが、マリーアントワネットのお抱え女性画家は少し男性も描いていたようです。

このÉlisabeth Vigée Le Brunの人生、かなり波乱万丈。
フランス革命時イタリアに2年間逃げて各地を経てナポリまで南下、その後ウィーンに3年住んだ後、7年ほどロシアのサンクトペテルブルクに住んで仕事をして、最後は約13年ぶりにフランスに戻ることが許され、当時としては珍しい87歳まで長寿した波乱に飛んだ人生。

Amazonプライム・フランスでアルテ制作のドキュメンタリー映画が上がっていたので見てみました🎨

途中のロシアまで母と逃亡に同行してたひとり娘の最期が可哀想でした・・😢
娘はサンクトペテルブルクで知り合ったロシア人の夫とは離婚。
画家の仕事を試みるも母(エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブラン)のように上手くはいかず、母と離婚した画商の父の借金も背負って晩年はパリで売春婦のようになり、梅毒で母より先に39歳で亡くなってしまう・・・。

エリザベート本人も最期の2年ぐらい前には脳卒中で失明してしまったりしたようですが、晩年はバルザックなど作家たちともパリのサロンで交流して、自立したシングルマザーとしてずっと腕一本で生き抜いてきたのとは対照的でした。

画家自身のポートレイトの黒・白・赤のコスチュームほんとオシャレ!
亡命中のサンクトペテルブルクではファッションリーダーのインフルエンサーになっていたそう。

5年ぐらい前にグラン・パレで展覧会がやっていたようなので見てみたかったなぁ。


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